仏語再勉強の軌跡

フランス語の本が楽しめるようにするのが今年の目標

The Village in the Jungle


フランス語の先生、ご推薦の本です。Virginia Woolfと結婚することになるLeonald Woolfが1910年ごろに7年間スリランカに滞在した経験をベースに書かれた小説です。植民地時代の支配階級である西洋人によって書かれた本は、いわゆる、上から目線になることが多いそうですが、この本は違います。支配される庶民の目線で書かれています。

ジャングルに隣接したスリランカ南部の小さな村が舞台。そこで、起きた出来事が書かれています。古い因習に縛られ、つぶされそうになる家族、西洋人の支配階級から委託を受けたスリランカの支配階級に、つぶされる家族、そして、最終的には、ジャングルに飲み込まれてしまう家族と村。何とも悲しくもあり、かつ美しい物語です。

DVDはシンハラ語ですが、英語字幕が付いていました。何と、A. C. Clarkeが西洋人の支配階級の一員として出演。作者のLeonard Woolfの分身でもあると思われます。クラークの英語はわかりにくいですが、演技はまずまず。制作、監督をする人と、どこかで知り合い、出演を頼まれたのでしょう。Colombo Swimming Clubかもしれません。私も入会しようとしましたが、保守的で、会員の紹介がなければダメだと、断られた経験のある、いわゆる高級クラブです。クラークはインド洋での宝探しダイビングの連続TVシリーズを手掛けていたこともあり、そんなことからの関係かもしれません。

DVDを見てから、KINDLE版で読みました。仏教の輪廻転生の話が長々と書かれている部分はありますが、その他の内容は大変結構で、間違いなく、純文学の佳作です。英文学史ではあまり取り上げられていませんが、もっと、評価があってしかるべき作品と思いました。

イタリア人の友人はその本を2年前に赴任した時、同僚から、もらったそうです。まだ読んでいないそうですが、いろいろ話をして興味を持ったようですので、DVDを貸しました。登場人物の顔をイメージしながら本を読むのは一興です。