仏語再勉強の軌跡

フランス語の本が楽しめるようにするのが今年の目標

カミュ

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 KINDLE版で読みました。紙の本では800頁以上だそうで、かなり読みでがありました。

ご多聞に漏れず、伝記ですので、本人のこと以外の部分が多いのは、しょうがないですかね。ショーペンハウエルのよりは、ましでしたが。

 

アマゾンの読者感想で、ニューヨークに行った時の朝食に何を食べたかが書いてあるのに、サルトルとの仲たがいについての記述は少ない、というのがトップになっています。それで、高かったですが、期待して買い、読んだわけです。

https://www.amazon.co.jp/dp/B00DTF02ME/ref=rdr_kindle_ext_tmb

 

サルトルとの仲たがいの原因は、カミュが下層階級の出身であるという蔑視と、カミュの容姿に対する妬みが裏にあると思います。カミュはそこに居るだけで回りの、特に女性の関心を引くわけです、何せダンディーですから。別の本に、サルトルの彼女の一人(ボーボワールの哲学クラスの生徒でもあった)をカミュが寝取ったことがあると書いてありました。

 

サルトルは回りを引き付けるために、喋って頭の良さを示し、飲食をおごって、引き付ける必要がありました。サルトルは上流階級出身で、学生時代から、お金に不自由することは無かったわけです。

( 蛇足: サルトルノーベル賞を拒否した理由にも、これらが裏にあると私は邪推。

     あんな奴が先に貰った賞をこの俺様が貰えるか、かもです。  )

 

カミュは三部作と自分でも称し、小説、哲学エッセー、演劇をセットで考え、発表しました。ですが、本音として、一番好きだったのは演劇のようですね。自分で主演することもありました。

 

私は異邦人をフランス語で読み、死後、遺族が出版した2つの小説を英語版で読みました。A Happy Death と The First Man です。

https://hahanokaigo.hatenablog.com/search?q=%E3%82%AB%E3%83%9F%E3%83%A5

 

哲学エッセーとか演劇はまだ読んでいません。その他、短編集とか断片的な日記、ノートも英訳されています。まずは、短編集から読んでみようと思います。

 

カミュの実生活は、いわゆる文学者のそれではなく、新聞を中心とするジャーナリズム、ナチの占領時代のレジスタンス、出生地のアルジェリアがらみの政治についての関与が大きく、また、背伸びして生き、群れることが比較的好きで、結核という当時としては不治の病を抱えつつも、多彩な活動家でした。そして勿論、女性関係も多かったわけです。

 

この本では、最後の事故死のことも、かなり詳しく書かれています。カミュの死因は頭蓋骨陥没と首の骨の骨折、苦痛の表情ではなく、ビックリしたような表情で、目を開けたまま即死。車に挟まり、引き出すのに2時間かかったそうです。

 

車の運転はフランスの一流出版社社長の甥、カミュは助手席、シートベルト無着用、後部座席には運転者の妻と娘、これら女性はケガだけで無事。運転者は病院で死亡。