仏語再勉強の軌跡

フランス語の本が楽しめるようにするのが今年の目標

The First Man

1996年、カミュの死(1960年)後かなりたってから出版された'Le Premier Homme'の英訳をKINDLEで読みました。
自動車事故の時に所持していたカバンの中にあった草稿・メモ類を遺族がまとめたものです。3人称で書かれた小説の形式をとっていますが、実質は、自伝ということです。前回エントリーした、Elizabeth Hawesの'Camus, A Romance'にもかなり詳しく書かれていましたが、カミュの少年時代から中高等教育を受けるまでのことが書かれていました。
殆ど耳が聞こえず、喋れない母親のこと、赤貧の家庭環境で、どう生きたか、そして、Lyceeという、中上流階級の教育機関にどのようにして入れ、また、そこでの勉学、スポーツ、そして、家庭環境との落差が、詳しく書かれています。
カミュダンディーですので、比較的秘密主義で、自分の弱みは見せないで生きてきたそうですが、この本の中では、裸の自分を書いていると、複数の評者が書いています。
草稿なので、読みにくくはありましたが、興味深く読めました。
死後出版の小説として、このほかに、異邦人の習作という評もある'The Happy Death' La Mort Heureuse'があります。こちらは原書が手に入りましたので、いずれ、フランス語で読んでみようと思っています。