仏語再勉強の軌跡

フランス語の本が楽しめるようにするのが今年の目標

2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

芹沢光治良032

「命ある日」読了。 結核となってしまったある若い女性の青春。両親との死別、恋愛、結核罹患と闘病、そして立ち直り。 一高、東大、そして文官の国家試験、学生生活。パスしたもの達の将来への希望とオゴリ、等々。 いかにも芹沢の青春文学。外国舞台がない…

芹沢光治良031

「懺悔紀」読了。昭和21年9月出版。読んだのは作品集全16巻の第3巻の初めに収録されているもの。この第3巻には他に「孤絶」と「離愁」が収録されています。 あくまで小説ではありますが、作者と同じような境遇(両親が天理教に全財産を捧げて出家)の弟を信…

芹沢光治良030

「告別」読了。 昭和35年(1960年)書下ろし出版。 1959年の西独のペンクラブ会議に出席した前後の話。自伝的と思われます。 フランスの友人が来日し、大金を貸す。渡欧の際に返却してもらう予定が、紆余曲折があり、はたせず。 その友人は事故死のような自…

芹沢光治良029

「苦悩多き日々に」読了。 戦後の時代を描いた短編、12編を集めた本。 それぞれが光っている短編集です。特に最後の「閉ざされた扉」が良かったです。 後書きで著者は、特に、女性のデッサン、文章の修練を目指して書いた作品群であると書いています。

芹沢光治良028

「愛の影は長く」読了。 昭和56年出版。最晩年の神シリーズを除き、最後の小説。出版時85歳。 神シリーズは昭和61年より、96歳で亡くなるまで、ほぼ毎年1冊、合計8冊刊行。 さる女性が「巴里に死す」の毎月の連載に、読者として手紙を作者に送る。そしてある…

芹沢光治良027

「こころの窓」読了。 著者が「人間の運命」を執筆中の昭和39年からの二年間に雑誌「主婦と生活」に連載したエッセーをまとめたもの。 物を大切にするというお話がフランスの習慣だけでなく、いろいろあるのが面白い。特に、養父から、著者が洋行するときに…

芹沢光治良026

「サムライの末裔」読了。 広島への原爆投下直後の惨状、その後の状況を描いた小説です。写真の内容説明を読んでください。 投下直後の焼けただれた人々の描写は何とも凄惨。よくぞ、そこまで描けたです。 この作品は「巴里に死す」の次にフランス語に訳され…

芹沢光治良025

三連作の最後「故国」読了。紙の本も、KINDLE版も入手できず、Book Walker という電子書籍で読んだ。慣れてないせいもあるでしょうが、Book Walkerは、扱いにくかった。 親子三人、マルセイユから船で無事帰国。途中、上海で旧友のフランス人と再会する。 日…

芹沢光治良024

三連作の二番目「離愁」読了。 ある程度健康に自信を得、高原の療養所を出て、親子3人で、フランスの別の高原に家を借り、女中を雇って生活を数か月する。そして更に、日本への航海に耐えられる体力に自信を持って、高原を降りる。文学をやろうという気持ち…