仏語再勉強の軌跡

フランス語の本が楽しめるようにするのが今年の目標

芹沢光治良030

「告別」読了。

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昭和35年(1960年)書下ろし出版。

1959年の西独のペンクラブ会議に出席した前後の話。自伝的と思われます。

フランスの友人が来日し、大金を貸す。渡欧の際に返却してもらう予定が、紆余曲折があり、はたせず。 その友人は事故死のような自殺をしてしまう。結局、若いときからフランスから受けた恩のお返し、フランス文化を知るための授業料としてあきらめ、銀行から借りた金は自力で返すことを決断。そして、フランスにも、フランスの友人たちとも「告別」だ、と思い、文筆の道に精進することを再決意するというお話。当時、音楽留学していた二人の娘とも会って数か月をともにしています。

別の話ですが、

三木清にも大金を貸して、結局、貸し倒れになったようで、それも、結局は許して、三木清の哲学・思想を評価しています。思想が、人格や行動に影響を与えないこともあるという例だと皮肉をあちこちで書いていますが、三木の思想を評価しているところが面白いですね。

パスカルの賭けというのがあります。要は、神があるか、ないかの賭けです。死後の世界があるか、ないかです。神があると思って生きて、なければ、それはそれ。もし、ないと思って生きて、あったら困るでしょう。だから、あると思って、賭けて、生きるべきだ。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%81%AE%E8%B3%AD%E3%81%91

パンセは英訳で読みましたが、キリスト教を擁護しているようであり、それが、上記のことのような気もしましたが、良くわかりませんでした。

三木清パスカルの研究でも知られていますが、その辺のところをどう書いているのか、興味があります。いずれ読もうと思いますが。。。

芹沢光治良の最晩年の神シリーズは、芹沢版のパンセのようですが。。。。