仏語再勉強の軌跡

フランス語の本が楽しめるようにするのが今年の目標

A spy in the House of Love

初版は1954年米国ですが、私は、再版2001年版を2002年に日本一時帰国の際に、多分、丸善で買って読みました。120頁ほどの中編ですが、2,226円と高価でした。調べたらMiyoshiは、洋書の卸でした。

学生時代にヘンリー・ミラーの全集(和訳ですが)を読み、その関係でアナイス・ニンを知り、和訳の本を読みました(残念ながら何回かの引っ越しで、処分したようです)。何とも謎めいた、セクシーな女性ですが、ポルノ作家ではなく、れっきとした本物の作家です。最近KINDLEで英語版をかなり読みました。

この本を最初に読んだときは、単に奔放な女性を描いたものと感じましたが、今回、再読して、全く違う意味を持ちました。

本物の芸術作品は、作家の手を一旦離れると、独立して、作者が与えた意味とは違う意味を持つ。どこかで読みました。文学だけでなく、音楽、美術もそうだと思います。

今回は、私の生きてきた過去と重なりました。勿論、主人公のような体験ではなく、それが、私が、いろいろやったり、やろうとしたことと重なったわけです。たとえば、夢中になったバロック音楽、トーマス・ハーディ、ダリ、翻訳のアルバイト、海外生活、タミル語、等々です。

いろいろやろうとして、多少はできたと思えるものはほとんどなく、中途半端ばかりの人生だったと感じます。72年も生きて、お前は、一体何をしてきたのかと自問しますね。

今回は気になった2つの単語を調べ、その象徴的、あるいは、実際の意味を知って、アナイス・ニンの魅力を再認識しました。

kohl

https://en.wikipedia.org/wiki/Kohl_(cosmetics)
http://www.speakbindas.com/kohl-the-dark-world/

mandrake

https://www.merriam-webster.com/dictionary/mandrake
https://www.wired.com/2014/06/fantastically-wrong-mandrake/