仏語再勉強の軌跡

フランス語の本が楽しめるようにするのが今年の目標

Camus, A Romance

Elizabeth HawesのCamusのBioをKINDLE版で読みました。通常の伝記というイメージとはだいぶ異なり、著者がどのようにしてCamusの作品と出会い、この本を書くためにどうしたか、その軌跡が、伝記としての内容と、ややゴタマゼの感じで書かれています。

カミュの作品はまだ『異邦人』しか読んでいませんが、その背景が、かなりイメージできました。17歳の時に結核で吐血し、生涯、その病は完治しません。いつ死ぬかわからないという状態で生き、そして、書いたということが理解できました。また、赤貧の家庭に生まれ、母は、ほとんど聞こえず、喋れずだったそうです。イケメンと明晰な頭脳で、世に出ていくわけですが、ダンディーな表面の陰に、病と、貧しかった育ちがあったわけです。

確かに、女性遍歴も相当ではありますが、サルトルとは違い、いやらしさはないですね。それと、サルトルとの大きな違いは、常に、死を意識していた点と思います。サルトルは、覚せい剤を乱用して著作に励んだりしています。体は丈夫だったのですね。死については、あまり深く考えたり、恐れてはいなかったようです。