仏語再勉強の軌跡

フランス語の本が楽しめるようにするのが今年の目標

「2001年」その3 終わり

出かけず、「2001年」原書KINDLEを読み終えました。

 

AIが故障の可能性があると言った部品は、一度交換して確認するが問題なし。地球の指示はAIの電源を切って地球からのコントロールにすることだったが、AIはそれを察知して、故意に問題を起こして再度、船外活動をPooleにさせ、船外活動していたPooleを、AIが動かした船外活動用の小型作業船で押しつぶして殺す。Bowmanは冬眠している人たちを起こそうとするが、AIは自分を守るために、船内の空気を抜いてBowmanをも殺そうとします。この辺は映画と違い、強烈な迫力。


Bowmanは危機を何とか乗り越えるが、冬眠していた3人も生命維持装置をAIに切られて殺され、完全に一人となる。そして地球と連絡を取って、この旅の真の目的を知る。それは、月で発見された高度な文明が残した物体が信号を送った土星に何があるのか、何の目的なのかを探るためであった。

高度な文明が低レベルの文明と接触した時、過去の地球の歴史では、高度な文明が低レベルの文明社会を奴隷にするか、惨殺している。反対意見もあるが、危険はある。

(コンタクトの危険性については亡くなった物理学者ホーキング博士も同意見)

 

hahanokaigo.hatenablog.com

 

神は存在しない。人間は死ねばチリになり、死後の世界も存在しない。地球は近い将来住める状態ではなくなるので、月、火星を始めとして、宇宙に出て行かねばならない。知識の集積の増加のスピードは人類の生物学的進歩のスピードをはるかに超えている。遺伝子操作で、遺伝病をなくしたり、急速な環境変化に適応できるようにしたり、好戦性をなくして自滅しないようにする必要がある。地球外に知的生命体は存在するだろう。コンタクトは、注意しないとコロンブスと新大陸の住人との間で起きたようなことになる。AIは有用だが、注意しないと危険。Star Trek のように、ワープで宇宙を移動することはできないだろう。


しかし、宇宙船は既に向かっていて引き返すことはできない。Bowmanは覚悟を決めて、使命を果たそうとする。そして、目的地にあった大きい黒い物体に小型作業船で行き、それに吸い込まれ、別世界に行く。そして肉体を超越した存在となり地球に戻ってくる。


AIが何故狂ったのかの説明は、あまりはっきりしませんが、人間のように矛盾を抱えて、異常をきたしたとの説明です。AIのHAL9000と同型のモデルを地球で、調査、コントロールしていた人間も現に矛盾に耐えかねて精神異常をきたしたと書いてあります。
AIは結局、電源を切られることを、自分が殺されるように受け止めて、それを阻止しようとして、人間をも殺す手段に出たわけです。

 

3日ほどフランス語から離れましたが、また、戻って、Outsphere by Guy-Roger Duvert (KINDLE)を続けようと思います。