仏語再勉強の軌跡

フランス語の本が楽しめるようにするのが今年の目標

芹沢光治良022

レマン湖のほとり」読了。

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ジュネーブに居た四女を昭和49年、1974年、78歳の時に訪問した旅行記。オープンした沼津の芹沢光治良記念館のために、パリも含めた各地の思い出の場所の写真を撮り、知り合い、旧友との再会も目的。

フランス語ができるので、飛行機で隣り合わせたフランス人と交わした会話等、機中の出来事も、思い出として書いている。この時はエールフランス航空のファーストで行ったようで、最初は非番のパイロット、モスクワからは、フランス人の婦人が隣席。

ジュネーブ出身のジャン・ジャック・ルソーの足跡の地もいろいろ訪れているが、スイスでは、ルソーの評価は低く、ほとんど無視。

私は『孤独な散歩者の夢想』しか読んだことはありませんが、芹沢は相当深くいろいろ読んだようで、ルソーの神に対する考え方に、特に関心を持っています。キリスト教ではなく、独自の考え方で、芹沢の晩年の8冊の神シリーズの考え方、思想に近いように思われます。ショーペンハウアー、トマス・ハーディ、A.C.クラークも同様のような気がします。いわゆる宇宙の意思を、神ととらえる思想のようです。

しかし、高邁な思想を確立した人物でありながら、私生活は乱脈を極め、とんでもない男だったようで、それが、スイスで評価の低い原因のようです。