仏語再勉強の軌跡

フランス語の本が楽しめるようにするのが今年の目標

六十で悪いか!

1997年、著者60歳の出版です。

死についての特別な記述はありません。

精神分析医の仕事の大変さは良くわかりました。診断、治療ミスが死(自殺、他殺)に結びつく割合は、他の診療科とは比較にならないと思われます。その時の自責の念、無力感は大変なものでしょう。無論、皮膚科医とて、メラノーマをそうでないと診断して、手遅れから患者の死に至るケースはあるでしょうが、比較にはなりませんね。

この本の書かれた1997年はペルーの日本大使館の事件があった年です。フジモリ元大統領は精神的には日本人でなく、まさに、大虐殺、大略奪をほしいままにしたスペイン人の子孫。だから、初めから皆殺しのつもりで救出作戦を考え、表面的には交渉の姿勢を見せながら、突入の用意が整うや否や、交渉の経過は捨ておき、降伏したゲリラをも含め、非情にも全員を皆殺しにできた、という分析は鋭い。

日本人の一般的特性に対する分析も鋭く、納得できます。30にして立てない今の若者に対する分析も鋭い。日本の現状に対する憂いも同感。

60歳で、ますます元気、まさに現役の1、。