仏語再勉強の軌跡

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284 The Haunter

第四詩集の "Satires of Circumstance" 「人間状況の風刺」

284 The Haunter

亡霊

http://youtube.com/watch?v=qB6Ib4PN960

He does not think that I haunt here nightly:
How shall I let him know
That whither his fancy sets him wandering
I, too, alertly go? -
Hover and hover a few feet from him
Just as I used to do,
But cannot answer the words he lifts me –
Only listen thereto!

わたしが毎晩ここに現れていることを あの人は知らない
   どうして彼に知らせようかしら
彼の気持ちの赴くままのところへ
   わたしも さっと従(つ)いて行くことを -
前にしていたとおり 何尺か彼の後を
   ふわふわと どこまでも従いて行くけれど
彼が話しかける言葉には返事ができないことを -
   わたしはただ聞くだけなの!

When I could answer he did not say them:
When I could let him know
How I would like to join in his journeys
Seldom he wished to go.
Now that he goes and wants me with him
More than he used to do,
Never he sees my faithful phantom
Though he speaks thereto.

わたしが答えられた頃には 彼は話しかけてはくれなかった
   彼の行く先ざきへわたしもどんなに
行きたいか話せた頃には あの人はめったに
   連れていってくれなかった
あの人が昔よりずっと 散歩に行くとき彼の近くに
   わたしがいてくれたらと 思う今は
彼には 忠実な私の亡霊は どうしても見えないのね、
   わたしに話しかけはするものの

Yes, I companion him to places
Only dreamers know,
Where the shy hares print long paces,
Where the night rooks go;
Into old aisles where the past is all to him,
Close as his shade can do,
Always lacking the power to call to him,
Near as I reach thereto!

ほんとうよ わたしは夢想家だけしか知らないような
   彼の行く場所行く場所へ 従いて行く
たとえば内気な野兎が 間隔の長い足跡を残すところ
   夜の みやま鴉が赴くところ
彼にとっては過去がすべての思いを支配する古い教会の側廊などへ
   影法師のようにぴったりとわたしは従いて行く
でもいつも どんなに彼に寄り添っても
   話しかける力のないままに!

What a good haunter I am, O tell him,
Quickly make him know
If he but sigh since my loss befell him
Straight to his side I go.
Tell him a faithful one is doing
All that love can do
Still that his path may be worth pursuing,
And to bring peace thereto.

どんなに善良な亡霊か おお、彼に教えてあげてください!
   彼にわたしの死がふりかかってこのかた
彼がほんの溜め息一つつけば 間髪を入れず
   わたしは彼のそばに現れていることをすぐに知らせてほしいの
忠実な者が 愛に可能な全てのことをしていると
   彼に話してください
そしてさらに 彼の道はなお辿る価値があるかもしれないから
   その道に平穏をもたらすようにと話してください


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この詩は第四詩集の "Satires of Circumstance" 「人間状況の風刺」の中の一つで、朗読は、Ms. Janet Maw です。

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