1947年4月"Fantasy"で初出版。"The Best of Arthur C. Clarke 1937-1955"に収録。
イオンからなる巨大な生命体が太陽に生息していた。しかしそれは太陽の爆発的活動により光球（恒星の丸く見える表面）の外にはじき出される。そして太陽に戻ることなく、また、太陽系外に出ることなく、地球に向かう。そして大西洋に落下する。アメーバーのような形で大西洋上に浮いていたそれは、やがてエネルギーと意識を失い、分解して果てる。
大西洋上をジェット機が飛んでいた。そのレーダー画像にそれが捉えられていた。見つけた乗客は係官を呼んで、二人で、そのレーダーの解像度を上げて、観察する。それは巨大なアメーバーのような生命体に見えた。中心は鼓動し、触手のようなものが四方に伸びている。やがてそれはレーダーの中心に来て、しばらく消えたのち、再び現れる。しかし、それはあたかも死にかけている生命体のように、だんだんと分解していき、そして、完全に消え去った。
