仏語再勉強の軌跡

フランス語の本が楽しめるようにするのが今年の目標

心やさしきネパール

1995年、著者58歳の出版です。

基本的に、二度にわたるヒマラヤ、トレッキングのお話しでした。「死の育て方」を書いてから5年ほど経過しています。その本について、以下のように書いています。

「裏ネパールの旅を終え・・・私は自分が死の不安から逃れていたいために自分用にあの本を書いたのだなと思わざるをえなかった・・・・戦争もなく、日々飢えることもなく、寒さに震えることもなく・・・乳幼児死亡率も少ない日本の生活の中で、日々、行き当たりばったりの生き方をしている私ごときが、死について書くこと自体、無理な話であった。不遜というか、自然に対する冒涜でさえあったように思う。」

神々しいヒマラヤの峰々を直に体験すると謙虚な気持ちになるのでしょう。しかし「死の育て方」を卑下する必要はないと思います。53歳で書いたとは思えない、深い考察を私は感じました。漠然とした私の考えを、はっきりさせてくれたような気がします。