仏語再勉強の軌跡

フランス語の本が楽しめるようにするのが今年の目標

芹沢光治良021

「愛と知と悲しみと」読了。

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「人間の運命」は昭和37年7月から昭和44年11月で、この「愛と知と悲しみと」はその前年の昭和36年11月。

「ジャック・ルクリュの半生を中心に物語はすすむ。

作者のパリ時代から戦後のパリでの再会までを自伝的に書いている。

著者の文学とのかかわりは、日本に根を下ろし、かつ、日本人だけでなくフランス人にも感動を与えうる文学、いわば世界的価値のある文学を作り出すということを文字通り、原点・出発点にしているのがわかる。

日本には稀有な作者と言えるのでしょう。

中国における日本軍の極悪非道にも触れている。そして、中国の良い点をしっかりと表現しているが、共産主義の悪い点にも触れている。

「人間の運命」も素晴らしかったですが、この本も、それと比べると短いが、まさに人間の運命と、希望・ヒューマニズムを描いた素晴らしい作品。