仏語再勉強の軌跡

フランス語の本が楽しめるようにするのが今年の目標

'SIMONE DE BEAUVOIR'

{ある恋の物語」と副題がありますが、原題は'SIMONE DE BEAUVOIR'だけです。アメリカのイリノイ大学で仏文学を教えている2人のフランス女性の共著。ボーヴォワール幼年時代から78歳で死ぬ前年までの伝記です。

ボーヴォワールの一生に圧倒された、の一言です。

サルトルとは、文学、哲学における同志のような関係で、お互いに批判しあい、書き直させたりしています。全ての著書がお互いに納得したうえで出版されている。まさに同志です。そして愛人関係ではありますが、旅行・出張に行くときは別として、パリでの生活はホテルで別々の部屋に住み、同居はしませんでした。ボーヴォワールは炊事等の家事はせず、文学、哲学、そして生きることを楽しむことに専念しました。そして、お互いに、二人以外の様々な男女と関係を持ったことが書かれています。

先日見たDVD映画は、ソルボンヌ大学の哲学一級教員資格試験の頃から、「第二の性}の出版の頃までの話ですが、かなり忠実に、ポイントをとらえて作っていると思いました。

第二の性}の出版後、一躍、時代の寵児となるわけですが、その後は、政治活動にも力を入れ、各国、特に共産諸国から招待を受けて、あちこちに行き、国家元首とも会うわけです。ロシアではフルシチョフにも会いますが、面白いのは2度訪れたキューバです。カストロが家族同然の扱いで二人を歓迎し、あちこち案内したそうです。カストロも、その他、知識階級の人々もフランス語を話したとあります。キューバスペイン語公用語で、フランス語と似ていますので、当然と言えば、当然ですが。

コスタリカにいたころ、さる日本人とフランス人と知り合いました。その日本人が、そのフランス人のスペイン語は文法がしっかりしていると感心していました。しかし、これも当然ですね。フランス人がスペイン語を話す方が、その逆より、もっと容易です。スペイン語の方が発音がシンプルですので。