仏語再勉強の軌跡

フランス語の本が楽しめるようにするのが今年の目標

ティルックラル

ティルックラルは今から約1500年ほど前にティルヴァッルヴァルによって書かれたタミル語箴言詩集です。タミル文化の華であると同時に、誇りでもあり、今でも多くの人々によって愛唱されています。2年前にチェンナイを訪れたとき、主要な大型書店の全てに、著者のミニチュア像とともに、いろいろな版のティルックラルが多数、目立つ場所に置かれていました。

2行詩が133章、各10、全体で1,330あり、3部に分かれています。

1行目は4つ、2行目は3つの詩脚という単位からなり、各々の詩脚は、いくつか(1-3)のアサイという単位が結合されています。

このアサイは辞書の1項目となっている場合もありますが、接尾がついたり、結合の時に変化したりしていて、大変難しい。翻訳は、いろいろあり、参考にはなりますが、訳者の主観と補足が入っていて、原文の直訳的意味がつかみにくい。翻訳は元の食材を調理したり、別のものを加えたりして、既に、料理になっている。私は、元の食材がどうなっていいるのか知りたい。それをどう料理して味わうかは「カラスの勝手」、人によって違っていいわけです。Shakespeareも言っています、'Beauty is in the eyes of the beholder.'

幸い入手したInternational Tamil Language Foundationの本(ティルックラル本文とタミル文化・伝統についてタミル語、英語のバイリンガル構成、1800頁)には、アサイに分解した部分もあります。100%信頼できるわけではなさそうですが、それと、2種類の朗読の音声を手掛かりに、辞書と首っ引きで理解しようとする努力の軌跡を、このブログに載せようと思います。いずれ専門家の力を借りて、校正するつもりですが、まずは独学ですね。

辞書として一番頼りになるのは以下のオンライン辞書で、いろいろな大型辞書を串刺し検索してくれます。大野晋マドラス大学でタミル語を研究した時に大学から寄贈された、7冊構成のUniversity of Madras Lexiconが特に良くて、ティルックラルからの例文(No.付き)も載っています。

http://agarathi.com/

その他ではDictionary of Contemporary Tamil (Tamil-Tamil-English)を入門レベルから使っていますが、大変いい辞書で、動詞の変化(原形、不定形、過去分詞)が、きちっと載っています。WinslowのComprehensive Tamil-English Dictionaryも使っていますが、上記のオンライ辞書に含まれています。

日本語訳は高橋孝信先生の本より、英訳は上記International Tamil Language Foundationの本のものと、Rev. G.U.Popeの韻文訳と散文訳を拝借しました。

Rev. G.U.Popeのタミル語の文法書であるTamil Handbookは古いですが、タミル語を真剣に学習しようとする者にとってはおそらく必須の本と思います。インドのガンジーは、ティルックラルを原文で読むために、その本でタミル語を勉強したそうです。Freedom at Midnightというインド独立の秘話を書いた本に、でていました。

以下、ガンジーシュヴァイツァー博士のティルックラル賛辞です。

  • Mahatma Gandhi

"I wanted to learn Tamil, only to enable me to study Valluvar's Thirukkural through his mother tongue itself…. There is no one who has given such treasure of wisdom like him."

  • Dr. Albert Schweitzer, Nobel Laureate

"There hardly exists in the literature of the world a collection of maxims in which we find such lofty wisdom as in Thirukkural."