仏語再勉強の軌跡

フランス語の本が楽しめるようにするのが今年の目標

最近借りて読んだもの

最近知り合った人(http://www.iko-origin.com/)から借りて読んだ本です。左は読んで、お返ししました。右の2冊は頂戴しました。

左はIndian Art: A Concise History by Roy C. Cravenですが、写真はアマゾンで売っている改訂版のものです。インド美術史のまさにコンサイス版ですが、いい内容です。やはりイスラムが入ってからは、インド古来の伝統的美術は衰退したようです。読んだのは古い版でしたので、いずれ改訂版を読んでみたいと思います。
中央はイスラムが入るまでの歴史ですが、よく書かれています。高校の世界史で勉強したモヘンジョダロの遺跡ですが、衝撃的な写真が載っています。高い文明を持っていたようですが、最後は侵入者に滅ぼされたようです。大虐殺を行ったのは、アーリア人ではないでしょうか。




右は現在のインドが如何に分裂状態であるかを分析しています。著者は後書きで、その分裂状態にもかかわらず、何故インドは、空中分解しないのか、その求心力について、いずれ分析したいと書いています。調べましたが、現在のところ、まだ、そういう本は書かれていないようです。
私見ですが、イスラムがインドに入るまでは、一時的に仏教でしたが、基本的には、ヒンズー教が求心力だったと思います。インド内部では、仏教もヒンズー教に吸収され、お釈迦様もヒンズー教の主神の一つのアバターになっています。ヒンズー教は異なる思想、宗教をも吸収・同化する化け物のような宗教です。しかし、イスラムは同化出来なかったようですが、その求心力をイスラムがもつことになったのでは。そして、イスラムが衰えた後は、大英帝国がその役を担ったのではないかと思います。そして独立以降は、ガンジーの思想がインドをまとめていると思います。
イギリスよりの独立以降、独立を目指すの動きのあったシーク教の一派は、インディラ・ガンジーに潰されました。そして独立を目指していたタミル人も、中国との国境問題の影響で、北の中央政府と組んでいるほうがいいと、独立する動きを自ら封じたようです。

「追記」
インディラ・ガンジーはボディーガードのシーク教徒が撃った33発の銃弾を浴び、暗殺されました。それでニューデリーを中心としてシーク教徒が、多数派のヒンズー教徒により大量虐殺されました。その時、インドを愛して旅をしていた、まだ若いカナダ女性がその惨劇を目撃します。それがKARMA (http://d.hatena.ne.jp/toeic990/20140327) の著者です。そしてカナダに帰るわけですが、30年近くたって心の傷もようやく癒え、インドの魅力を思い出して、書く気になったようです。