仏語再勉強の軌跡

フランス語の本が楽しめるようにするのが今年の目標

How We Went to Mars (2/104)

1938年3月"Amateur Science Fiction Stories"で初出版。今回が短編集への初収録。

ロケットのような宇宙船で火星に行き、地球人に似た火星人に歓迎されて、戻ってくる、しかも、ロンドンのHyde Parkに戻ってくるというお話。
着陸の時に公園の巨大な池を熱でからしたり、離陸のときに周辺に損害を与えたと思われる罪で投獄されていて、そこからの手記という形をとっている。
ACCのハードSFの作家というイメージからは遠いfantasyになっている。それが理由で他の短編集への収録がなく、2000年まで放置されたのかもしれない。
イギリスらしいblack humourが随所にちりばめられ、辞書なしでは難解なときがあります。1/104は辞書なしで読みましたが、これは、辞書を相当引きました。ACCの作品は、時として、こういう傾向があります。ユーモアのセンス、聖書、シェイクスピアギリシャ神話の知識が必要。長編は読んでいるうちにわかってくるが、短編では、わからないまま読了することもある。まあ、わからないときは、辞書をひきましょう。それも、いろいろ。ときとして、google検索も必要かも。
「追記」
月の土地を販売するというくだりがある。確か、昭和30年代、糸川教授のペンシルロケットの成功があったころ、そんな話が日本でもあったような気がします。子供心に買いたかったのですが、小遣いでは、手が出ませんでした。あの話はどうなったのでしょうかね。