仏語再勉強の軌跡

フランス語の本が楽しめるようにするのが今年の目標

芹沢光治良012

「人間の運命」第13巻  夜明け 第14巻  再会 読了。

 

空襲、疎開終戦、戦後の困難な時代を経て、1951年6月、ローザンヌのペン大会に向けて主人公が飛び立つまで。

https://hahanokaigo.hatenablog.com/entry/2020/05/03/101702

https://hahanokaigo.hatenablog.com/entry/2020/05/06/100941

 

一応これで、本編は完ですが、「人間の運命」の終章として、「遠ざかった明日」という本があるそうで、古本で注文しました。上記の終わり方はあまりにも中途半端で、続編を期待させます。

 

「人間の運命」全体を通して特に感じた点。

1.はっきりと書いてはいないが、戦争に対して、時代のうねりがあったとは言え、昭和天皇にも責任の一端があったと作者は感じていたのではないか、との印象を持った。同感。

2.1961年9月締結のサンフランシスコ条約は、日本がアメリカの属国になったことに等しいと作者は感じている。同感。その後、日本は、お仕着せの憲法も改訂できず、現在でも、実態として、アメリカの属国である状態が続いているのではないか。

http://www.chukai.ne.jp/~masago/sanfran.html

3.日本人の大多数は表面的には無神論者であるが、雑多の迷信的宗教が多数存在している。日本人の根底には漠然とした宗教意識があり、今後、作者はそれを追求していきたいと宣言している。

4.主人公の森次郎に感情移入して読んだ。そのせいか、74年間の自分の人生が如何に小さいものか痛感(泣き)。